TOKYO埋没毛

情緒しか書きたくない。ホモ。

目尻の皺

 

遅くなったけど誕生日おめでとう。

タメだけど、あんたが遂に30なんだね。

よく飲みに行っては「2人とも童顔で若く見えるね!」なんていうおじさんの言葉を養分にして、何度だって夜明けまで飲んでたのに。

確かにあんたは出会った頃よりカラダはダルくなってるし、やっぱり目尻の皺はやばいと思う。

誕生日プレゼントみんなで議論した時にすぐアイクリームが候補にあがってきた。

 

だけどこうしていろんな人たちに囲まれて心配されて、愛おしく思われて、三十路に、あんたが私たちの中から特攻隊長として1番最初に繰り出してくれた。

 

去年はいろんなことがあったね。

個人的には一層仲良くなれたなって思ってる。いろんなとこにも行ったし2人でお転婆もしたし、いろんな話をしてくれて嬉しかった。

 

大変なこともたくさんあったよね。

大震災になぞらえられることもあるくらいだし、もしかしたら今も思い出して枕を濡らす夜もあるのかもしれない。

だけど、あんたがした選択を、それでもやっぱり後悔して欲しくない。

ずっと考えて、悩みに悩んで一度は出した答えなはずだから、確かに予想だにしない終わり方はしたのかもしれないけど、きっと正しかったと胸を張れるよう、笑えるようになってほしい。

とはいえ、こんなこと言ったって、そう思えるようになるには時間に任せるしかないんだよね。

毎週末アホみたいに街に繰り出しては見知らぬ男とワンナイトを重ねたり、時には恋愛もどきをしてワタワタしても、ただそれだけじゃどうしようもなくて、自分の中に穴が開いて空っぽになってしまったような孤独は、時間しか解決してくれない。

歳なんかとりたくないのに残酷だよね。

時間しか解決できないことがあるって自分たちアラサーはもういい歳だし、頭おかしい恋愛ばかりしてきたからわかってる。

なんの変化もない毎日を淡々とこなして、他にも信じられないような事件で痛手を負うこともあるのに、けど時間しか癒やしてくれない。

 

だから自分たちはそばにいよう。そばにいたい時そばにいて、ほっておいて欲しい時はほっとこう。

寂しさを紛らわしてるだけとかババアの馴れ合い気持ち悪いとかいわれるかもしれないけど、きっと少しでも毎日を楽に過ごすために私たちはいる。

 

これからあんたの後を追っかけて続々とみんな30になる。

飲み屋に出て、声をかけられることも少なくなるんだろうね。気づいたら年下ばかりになって「え!30ですか!?見えな〜い」なんてお世辞言わたら「あらあんた出世するわよ〜」みたいなことを品なく笑って場荒らすクソババアに、きっとあんたも自分もみんなもなっていって、

だけどそれもまた楽しみだよ。

 

シワの数だけ哀しみがあって、マリアナ海溝くらい深い溝になっても、時間が私たちを赦してくれるし、少しだけ薄くしてくれる。

歳をとって幸せになろう。

 

悲しみに負けないくらい、あんたと私たちはまたいろんなとこに行って、たくさん飲んで、年甲斐もない気が触れたようなことをして、笑い皺だけ増やしてこう。

私はイラついた時にできるデコジワなんとかする。

 

改めておめでとう。これからもよろしくね。

 

30に愛を込めて